特性・成分
菊芋にはイヌリンという成分が特に多く含まれています。イヌリンとは多糖類の一種で、消化されるとオリゴ糖となるため腸内の善玉菌の活動を活性化する作用があります。そのため、便秘などでお困りの方に有用な食品です。イヌリンはそのほか、ゴボウなどにも多く含まれています。
菊芋が漬物になるまで
1.菊芋って何?
菊芋は北米原産のキク科の多年性植物で9月頃に菊に似た黄色の花を咲かせるところからその名がつけられました。草勢は極めて強く、草丈が2~3mにもなります。食する部分は地下茎で生姜に良く似ていてウコンを大きくしたような形状でもあります。
収穫は葉が枯れ始める11月中~下旬からで、積雪量の多い当地では一部の堀り残しは雪解けを待って発芽前の3~4月にも収穫します。根茎の外皮はジャガイモのような淡い黄土色ですが、中は白色です。生で食べるには水さらしでアク抜きをしますが、ゴボウのような香りとレンコンのようなシャキシャキとしたさわやかな心地よい食感です。
また、加熱によって淡い甘味を感じるようになります。食べ方は味噌漬が一般的ですが、酢漬、醤油漬や煮物、てんぷらなどでも食べられています。フランスやイタリアでもサラダやつぶしてスープに用いられています。土地を選ばず多収ということで、その昔、戦中戦後の食料難時代には空腹を満たす糧として栽培され、塩酸で加水分解して甘味料が作られたこともあります。難消化性のイヌリンが主成分の菊芋は近年オリゴ糖による整腸作用や血糖値が上がり難い食品として話題になっています。
当地では別名「カライモ」と呼ばれています。
2.菊芋の栽培方法
〔栽培産地〕小千谷市西山地区
〔栽培手順〕
- 起耕
豪雪の当地では雪消えと共に稲作の作業が始まります。田植えが一段落した6月上旬が起耕作業の始まりとなります。(避地現象が甚だしいため連作はできません)
- 植え付け
6月中旬、畝幅1mを取り中央に溝を掘って、堆肥、鶏糞、米ぬか、化学肥料を投入して畝高約10cmで畝立てを行います。既に芽が出ている種芋を株間50cmで定植します。
- 草取り・土寄せ
7月下旬から8月上旬、草取りを行った後に土寄せをします。
- 収穫
葉が枯れ始める11月末から12月いっぱいが掘り取りの期間ですが降雪で当年の作業は終わり、堀り残し分は翌年3月末から4月、発芽前に雪を掘り起こして収穫します。
- 種芋の保存
小ぶりの芋をネット袋に入れて土中で保存します。
3.菊芋を漬物に加工
塩漬けにして保存した芋を、その都度、必要なだけ漬物に加工します。必要なときに必要なだけ生産することで、フレッシュなものをお客様へお届けすることができます。
〔加工工程〕
- 塩漬原料
掘り取った菊芋はその日のうちに当社に受け入れをし、付着している土が乾かないうちに当社開発の強力洗浄機で洗浄。次に選別し、土を抱き込んだものは手作業で完全に土を除去します。これを塩漬にして、もう一度漬け直しをします。漬けあがった時点で洗浄、追塩を行って、冷蔵室(5℃)で小分け保存をします。よって、一般の塩漬原料に比べ雑菌による汚染度がはるかに低く、しかも高品質な原料が得られます。
- 選別・洗浄
厳しく選別し、異物混入の防止も図っています。
- スライス
スライサーで食べやすい均等な厚さに切断します。
- 洗浄・塩抜き
品質を左右する重要な工程のひとつですので十分に洗浄の後、食塩濃度が1%以下になるまで水で塩抜きを行います。
- 調味
低温室で秘伝の調味液に漬け込み、味の浸透を図ります。
- 計量・袋詰め
計量の後、新しい調味液を定量加えて真空包装します。
- 殺菌
合成保存料を使用しないため、殺菌が必要です。当社開発の技術で加熱殺菌を行います。
- 検品
目視で行います。
- ラベル貼り
一枚一枚心を込めて丁寧に貼りつけます。
- 出荷
3つのこだわりと真心をお届けします。